2010年12月27日月曜日

写真立て(20101227)


  このブログを書いている机の上に二つ写真立てがあり、目を左にやるとその写真立てが見える。写真立ての一個は男の友人(女性)がわが家に来て10日間滞在したときプレゼントされたものである。銀色の額縁の写真立ての周囲には修飾の字体でFriends is a gift of laughter and endless support 等の文字が描かれている。その中に来年春大学を受験する孫娘の写真が飾られている。その友人は自分一人とシェルター(捨て犬の檻)から貰ってきて育てている犬や猫と淋しいクリスマスイヴを過ごしたようである。カードにそう書いてあった。男と同じ年の彼女に電話してあげれば良かったと思うがそうしなかった。

    その隣に両開きの金色の額縁の写真立てがある。これは男があるパーティに参加したときプレゼントされたものである。その両開きの右側は、飾り模様の縁の中に楕円形の切り抜きがある。その中に来年高校に進学する孫娘の写真が飾られている。その左側には、チョコレート色と茶黄金色のツートーンの二重のラインで囲んだ方形の飾り縁の中に方形の切り抜きがある。その中に来春4歳になる孫息子の写真が飾られている。

    目を正面に向けると黒色のラックがある。そのラックの上の眼の高さの位置に2個の写真立てを置いてある。いずれも木製の簡単な構造の安物である。その一つは男と女房が40代の頃、南房総の花畑の中に二人並んで腰を落としてしゃがんだ格好で撮ってもらった写真である。後ろの方に老人が運転してきたホンダのシヴィックが写っている。

    その隣に女房が還暦のとき、かつての親子4人の水入らずで、青森まで3泊4日の旅行をしたとき撮った写真がある。その写真は八甲田のある温泉宿の近くで小高い丘とその上の紺碧の空をバックに老妻を中に両脇に二人の息子が写っている写真で、男が撮ったものである。そのとき二人の息子はそれぞれ既に結婚しており子供もいた。しかし二人の息子の母(女房)の還暦のお祝いということで、3泊4日の青森までのドライブ旅行を息子たちがプレゼントしてくれた。あのとき息子の嫁たちはよく協力してくれたものだと思う。

    あのとき車は長男の嫁の実父が4人ゆったり座れる高級なセダンを持っていて、それを貸してくれた。泊った三つの宿は二男が企画してくれたものである。有名な小牧温泉にも泊った。費用はすべて子供たちが負担してくれた。女房はその旅行の後、嫁たちに感謝の気持ちを伝え、お礼にと相応のことはしたが・・。

    子供たちが中学生と小学生のころ2年半ほど過ごした三沢も再訪し、そのころ官舎の近くにあった特徴ある赤い色の三角屋根の住宅が3棟残っていてまだ使われているのを見て皆懐かしがった。あの頃はスパイクタイヤを使っていて、冬の日の凍った夜でも車を運転することに全く不安は無かった。ある凍りつく冬の夜、女房は車を運転して、氷の轍に車輪をとられながらも坂道を登り、友人の家まで男を迎えにきてくれたこともあった。

    思えば男には小学校・中学校時代を過ごしたふるさとがあるが、子供たちにはそのようなものはない。親がよく転勤していたので、子供たちには子供時代の仲間との縁が薄い。老人のようにいわゆる竹馬の友はいない。それが親としては可哀そうに思うところである。

    歳月を経て、今度のお正月には男の田舎の家で孫たち家族を迎える。田舎の家では今雪が降り積もっているという。独り暮らしの老母にとって非常ににぎやかな大晦日となる。