2011年1月15日土曜日

他人事と自分のこと(20110115)

 さるお方から以前『ジョンソン博士語録』(発行:パレード)という本を頂いていた。老人はその本を時々読んでいるが、昨日胃・大腸内視鏡検査に行くとき電車の中で読もうと思い、その本を持って行った。

 車中隣の席で50代ぐらいの男性が自分の服の胸のポケットから何やら取り出して広げて目を通している。男はちょっと気になって視線を左にやり、ちらっと盗み見した。彼が見ている紙の上に「資格者のIDとパスワード」と書いてあり、名前とそれらしい情報が一覧表になっている。男は、彼はどんな仕事をしているのだろうか、インターネットの時代、男もIDとパスワードの保全には十分注意して管理しているが、彼が見ている情報はインターネット上で盗んだものではないだろうか、などと気になった。しかし、気にはなったが無関心を装っていた。彼は長い時間その一覧表を見ていた。一覧表には黄色のマーキングをした部分が何箇所かあるようであった。そのうち彼はそのペーパーを自分の胸のポケットにしまい込んだ。男に関心を持たせるため、彼はわざと長い時間その一覧表を見つめていたのではないかと思ったりした。いずれにしても彼は怪しい男である。

 その本に次の一文がある。“ No, Sir, every man will dispute with great good humour upon a subject in which he is not interested. I will dispute very calmly upon the probability of another man’s son being hanged; but if a man zealously enforces the probability that my own son will be hanged, I shall certainly not be in a very good humour with him,  「・・・いや、君、誰でも関心のない問題については大いにユーモアをこめて議論するだろう。私は他人の息子が絞首刑にされる可能性については非常に冷静に論争するだろう。しかしもし私の息子が絞首刑にされる可能性を人が熱心に主張するならば私は間違いなくその人とユーモアを交えて議論はできない。」”

 死刑制度について検討されている。新たに「終身刑」を設けて、裁判員裁判でもし裁判員全会一致の死刑判決でない場合、その「終身刑」を適用するということが提案されているようである。

 中国では、麻薬密輸の罪で日本人が4人が死刑に処せられたことは記憶に新しい。つい最近、70歳の日本人と20歳の日本人がそれぞれ別の裁判所で、それぞれ2年間の執行猶予付きの死刑を言い渡されている。執行猶予期間中服役態度が良ければ、死刑から無期限懲役に軽減される道もあるという。

 ジョンソン博士は「他人事は大いにユーモアをもって議論するが、自分のこととなるとそうは行かない」ことを指摘している。

 日本人は大陸の北方、西方、南方、中央アジアを含む各地からこの列島にやってきたが、ミトコンドリアで辿ると、日本人は結局16人の母親に辿りつくという。つまり日本人は皆同胞である。同胞の中に悪い奴がいて同じ同胞を殺害し、金品を奪う。

悪い奴を絞首刑にするか終身監獄につないでおかないと、この社会の秩序は保たれない。麻薬組織でも、恫喝国家でもそれら集団組織を抑制しないと、全体の秩序は保たれない。