2011年8月8日月曜日

中国の軍事行動への対処について(20110808)

 人も動物も、地上のあらゆる生き物も、ウイルスも、会社も国家も、あらゆるものは、それ自体で存続しようとする。存続しようとするもの同士で競争し、衝突が起き、争いが起き、戦争が起きる。しかし、競争もなく、衝突もなく、争いもない世界は永遠に存在しないだろうし、戦争はこの地上が至る所満ち足り、楽園にならない限り決してなくならないだろう。然るに、平和主義者・市民活動家たちは声を大にして「平和・反戦・反核」を唱え、人々を自分たちの主張に同調させようとする。これもまた、そのような平和主義者・市民活動家たちの「自存」行動である。スピノザは「自存」力のことを説いている。

 私は放送大学でスピノザを少しばかり研究した。そのとき、いろいろな書物を買い集めた。また指導の教授からいくつかの書物を紹介され、それらも買い求めた。私が「スピノザに興味がある」と言ったら、アメリカに住むある知り合いの女性が向こうの書店で買った本を私にプレゼントしてくれた。その女性は横須賀のご出身である。今、日本に住んでいるかどうか分からないが、私はいつかその方に是非もう一度お会いしたいと思っている。

 私は、この齢になって再びスピノザの研究に取り掛かろうと思うようになった。と言うのは、この平和な日本の領土・領海・領空・排他的経済水域が、13億人の豊かになりつつある人民を満足させるため、なりふり構わぬ行動に出ている中国によって一部を奪い取られる可能性があることを警告したいからである。

 人は、中国の行動を覇権主義とか国威発揚願望とか言うだろう。しかし、それは、私は中国の「自存」を目指す必死の行動であると観ている。日本でも意識的にせよ無意識的にせよ、「自存」の行動をしている。日本の場合、欧米と価値観が似通っているので、日本の行動には国際的に理解される。しかし、中国は南シナ海における行動にもみられるように、意図的に「領土問題」が「外交問題」になるようにしている。中国共産党の綱領にもあるように、彼らの長期的目標は奄美大島から尖閣諸島・宮古列島・八重山列島にいたる諸島を中国の領土にすることである。そのために中国は奇襲攻撃で我が離島を襲い、日本との間で紛争を起こし、その紛争を外交問題にしてしまう意図をもっているに間違いない。

現に、先の尖閣漁船衝突事件で日本は「尖閣諸島に領土問題は存在しない」と言っても、中国は「外交問題である」と主張している。竹島や北方領土と同じである。先ず実効支配し、後で「外交問題である」と国際的に主張する。我が国が憲法前文で「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」も我が領土・領海・領空・排他的経済水域の安全は決して保障されないのである。それが、「自存」を目指す組織体(ここでは中国と言う国)の至極当り前の行動である。

日本は、中国との間でいくら経済交流が進み、文化交流が進んでも、防衛交流は儀礼的な域を決して超えることはないだろう。「武力」は正に国の「自存」のための手段である。日本は「武士道」の精神をしっかり取り戻し、中国の「武力」に勝る力を持ち、更に価値観を共有するアメリカとの軍事同盟を深める必要がある。

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