2011年8月18日木曜日

日本と中国・韓国・北朝鮮の間の深い溝はなぜあるのか(20110818)

 私は国と国の間の溝は、極論かもしれないがDNAの違いにより生じると思っている。私は人の「自存」の源DNAに、「なぜ日中・日韓はなぜ仲良くなれないか」という理由を探してみようと思う。アメリカは中国などの多民族国家では、人種間の溝は歴然として存在している。それが国内で人種間の軋轢を生んでいる。日本ではそういうことが全く無い。明治天皇が「四方の海 皆同胞と思う世に なぞ波風の立ち騒ぐらむ」と詠まれた。このように地球上の万民みな兄弟という発想は日本人にしかないのだと思う。

 ではなぜ日本人はそうなのか?日本人の祖先・縄文人は、ミトコンドリアDNAとしてN9bというタイプとM7aという二つの基層遺伝子をもっていたということである。タイプがN9bという遺伝子をもつ人々はシベリヤなど北方で約14000年前に誕生したという。そしてM7aという遺伝子をもつ人々は3万年~2万年前、当時陸地であった黄海から東シナ海に至る地域で誕生したという。それぞれ別々に母親が居たのである。

 M7aという遺伝子を持つ人々は韓国やロシアの沿海州で僅かに確認されているだけだそうで、この日本列島では、沖縄と宮崎と北海道アイヌの人々の中に多く分布していて、東京や東北では最も少ない。一方、N9bという遺伝子を持つ人々は東京や東北や北海道アイヌに多く分布している。沖縄では最も多く分布している。なおアイヌの人々だけにはYというタイプの遺伝子が僅かながら分布している。このY遺伝子はオホーツク人に見られる。

 この縄文人たちは後に大陸からやってきた渡来系弥生人と交雑し、現在の日本人の原型ができあがっている。考古学的知見として、この渡来系弥生人の中にはもともと日本にいた縄文人(タイプM7a)が朝鮮半島にも住んでいて、それらの人々が稲作文化をもって日本にやってきた可能性が大いにあるということである。渡来系弥生人と一口に言ってもこのような元縄文人であった人々もいたのである。神武天皇は宮崎から東征に出発された。

 多くの渡来系弥生人は約2万年前にシベリアの寒冷地に適応した人々で、シベリアから南下を始め、中国の広い範囲に広がっていたらしい。その一つのグループが中国の長江中・下流域(中国南部)から日本に渡ってきたと考えられているようである。縄文人と渡来系弥生人は互いに混血し合って現在の日本人になったのである。従い、現在の日本人の間にはミトコンドリアDNAのタイプとしてABDFGMM7aM7bcM8M10N9aN9bZYなど非常に多くの遺伝子が分布している。最も多いタイプがDである。次に多いのがBである。ミトコンドリア遺伝子は母親からしか伝わらないから同じタイプの遺伝子は大陸にも分布しているが、M7aは韓国やロシア沿海州で僅かに確認されているだけであり、日本人を特徴づけるものである。

 一方、父親からだけしか伝わらないY染色体遺伝子のタイプに、日本ではOCDNが分布している。このうちDは日本に3割、チベットに5割分布しているが中国北部では皆無に近い。またNは日本に少し分布しているが中国には全くない。Nはやクートやエスキモーに多い。このように日本と中国・韓国とは遺伝子的に違いがはっきりしている。