2011年8月12日金曜日

素人考えだが中国は国家体制を変えざるを得なくなるだろう (20110812)

 BSフジの報道で初めて知ったが、中国では今回の高速鉄道事故以外に、日本では信じられないような事故が幾つも起きている。そのような事実はほかのメディアでこれまで取り上げられてきただろうか?政府による情報統制が行われているとしか思えない。

 上海では超高層マンションがある日突然倒壊し、入居予定だった人たちが政府に抗議している。その倒壊したマンションの周囲には幾棟もの同じような超高層マンションが立ち並んでいる。場所まで注意して視聴していなかったので詳細不明であるが、建設中の鉄塔が途中で折れてしまっている。高速道路が陥没し下に落下したタクシーが一台ある。洋上一面に非常に長く美しい高速道路網が完成したが、その道路の柵の固定ボルトが何本も抜け落ちたり良く絞められていなかったりしている。人が住んでいるある高層マンションの一部が倒壊し、その事故を調査した上海当局は、「検査結果残っている部分は住むうえで問題はない。安全である」と宣言している。

 今回の高速鉄道事故で中国政府は事態を重く見、事故6日後温家宝首相自ら外国メディアの撮影も許可の上現地でアナウンスし、「事故原因を徹底的に調べ、関係者を厳重に処罰する」と言った。中国では今回の事故のことでツイッターに毎日65千件の投稿があり、中国政府もその投稿を制御できないでいる。

 中国政府は国の発展上インターネットを無くすことはできない。かといってネット上の発言すべてをチェックし削除することもできない。エントロピーの法則のとおり、時間の経過とともに複雑性は増加してゆくが、その増加を問題のない方向に導くように制御する手段は「蛇の道は蛇」「虎穴に入らずば虎児を得ず」の諺のとおり、その複雑性の中にしかない。共産党一党独裁のシステムではその手段を得ることは極めて困難だと思う。

 中国では共産党の思想に基づき表向き「階級社会」を無くすことができた。土地はすべて国有である。しかし、共産党員になり教育をしっかり受けたものでなければ社会の指導的地位に就くことはできない。社会の指導的地位に就くことができれば安定した収入、それもかつて明治の頃、日本で大学を出れば高い地位と収入が得られたように、高収入と安定した職業生活ができる。しかし中国には日本の「武士道」精神のようなものはない。

 そのような指導的階層の人たちと、そうでない特に農村部の人たちとの間で社会的・経済的大きな格差が生じているのが今の中国の現状である。農村部と都市部のそれぞれ人々は戸籍が別で、農村部から自由に都市部に移住することは出来ない。日本では信じられないことばかりであるが、これが「清王朝」の後の「共産党王朝」の現実である。

 中国では指導的階層の人たち、筋金入りの共産党員たちは、官僚として自分たちの利益を守ろうとしている。一方、少し豊かになり、いろいろな情報も手に入れるようになった農民など下の階層の人々は「富を我々にもよこせ」と声を上げるようになっている。このことはどちらの階層でもそれぞれの利益を獲得しようとする「自存」行動の現象である。

 そこに「矛盾」が拡大し、何時の日にか「共産党王朝」は滅びるに違いない。

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