2011年8月29日月曜日

平和への道は「恐怖心」を無くすことから始まる(20110829)

 今日、15日終戦記念日。戦争は何処の国の人々でも避けたいものであると思う。しかし、避けようにも避け得ぬことがあるのも戦争である。集団のリーダー(またはリーダーのグループ)が戦争を決定し、或いは「戦争やむなし」と国民の気持ちを導き、戦争になる。些細な武力衝突が戦争のきっかけになることもある。

 何故、人は殺し合うのか? 私は、それは相手に対する「恐怖心」があるからだと思う。「恐怖心」は人をして「異常な行動」をとらせる。一対一の対決ならば、仲裁者が現れればお互い矛を収めるだろう。しかし、集団対集団、国対国ともなれば仲裁は容易ではない。

 中国は何故我が国の安全を脅かそうとするのだろうか? 一つの理由は、中国のリーダーグループ、つまり中国共産党政府が、統治している中国人民の政府に対する不満のはけ口を作るため、「日本との友好」を口にしながら、一方で「反日」を煽り、或いは容認し、抗日戦争の歴史的事実を捻じ曲げ、或いは事実を極端に誇大化し、中国人民に誤った日本観を植え付けていることがある。南京虐殺記念館はその一つの事例である。

 南京事件について、「虐殺は無かった」という主張から、「16千人ぐらい殺した」という見解や、「20万人、いや30万人虐殺された」「虐殺の事例はかくかくしかじかで日本兵は非常に残虐だった」まで種々ある。多くの中国人は、日本人(田邊 誠元社会党委員長)が総評から提供を受けた3千万円の資金を出し、日本人が設計した南京虐殺記念館(中国では「侵華日軍南京大屠殺遇難同胞紀念館」)に、展示されている事実に反する資料やパネルを見て、反日の気持ちと中国への愛国心を高めている。

 中国政府が中国人民に誤った日本観を植え付ければ、中国人民は日本に対して不必要な「恐怖心」を持つことになること必至である。中国が東シナ海で緊張を高めるような行動をすれば、日本も中国に対して必要な行動を取らざるを得ない。

 日本に対する誤った歴史観を植え付けられた中国人は、中国政府の官僚や中国軍の将校になり、日本人に強い警戒心と反発心を与えるような行動に出て得意になっている。菅直人氏に代表される市民活動に熱心な人々は、反戦・平和を唱える。菅氏は反日活動家を国家公安委員長に指名した。菅氏は国会で国歌を別のものに変えるべきだと言った。民主党政権は尖閣列島中国漁船衝突事件を適切に処理せず、事件の全貌が判る映像を日本国民に公開しようとはしなかった。菅氏や民主党政権の国家観は希薄である。

 集団の構成員が抱く「恐怖心」は、増幅されれば、その構成員に「異常な行動」を起こさせる。アメリカで起きた9.11事件で、アメリカ国籍を持っているアラブ系の人々、イスラム教徒たちは「人種プロファイル」に記録され明白な差別を受けた。戦時中日系アメリカ人たちも、白人たちの日本に対する「恐怖心」から不法に強制収容された。

 日中両国間で、国民の間に「恐怖心」がある限り、決して平和はやって来ない。「反戦・平和」を唱えているだけでは決して平和にはならない。現実では相手の脅しに屈しない「武力」が必要である。その上で「恐怖心」を解くようにお互い努力しなければならない。