2011年12月6日火曜日

渡部昇一『日本史』を読んで日本人はどうあるべきか考える(96) (20111206)

“その北京防衛軍の司令官となったのはマクドナルドというイギリス公使であったが、この人は軍人でもあったため、柴中佐を中心とする日本軍の優秀さをいち早く認めた。指揮が優秀であること、兵隊が実にきびきびとして統制がとれており、いつもにこやかであることなど、非常に感銘を受けたらしい。

 それからまた、助けに来た日本の第五師団は猛暑の中、悪戦苦闘しながら戦い、北京を占領する。占領後は、各国の軍隊が占領地域を分割して治安維持をはかったかが、占領地域において一切略奪行為を行わなかったのは日本だけであった。これを見て、当時の北京市民は日本の旗を掲げたという話があるくらいである。

 そういう様子を見ていたマクドナルドは、「日本は信頼できる」と本国の外務省に伝えたに違いない。彼は北京のあと東京に公使として赴任し、日露戦争後には初代の日本大使になっている。このマクドナルドがロンドンで日本の林董(はやしただす)公使に最初に日英同盟の提案をし、伊藤博文ですら信じなかった日英同盟が成立するのである。

 この日英同盟は、大正十年(一九二一)十二月まで、およそ二十年間にわたって存続した後、同年のワシントン会議の結果、解消されることになった。これは当時、日本を第一の仮想敵国と見なし、対日戦略構想を立案していたアメリカの介入によるものであった。

 日英同盟の代わりに結ばれた日・英・米・仏の四国協定は何の意味もない。何の役にも立たないものであった。これ以降、日米関係は悪化し、日本は対米戦争の道に入り込んでいくことになるのである。”(以上、渡部昇一『決定版 日本史』より引用。)

 私は、国の「性格」というものについて考える。人の「性格」は変わることがないように、国の「性格」も変わることはない。「性格」はDNAと成長期の環境により形成されている。他者が自分の「性格」を変えようとすると自分は怒る。

アメリカの「性格」は「陽気である。」「開放的である」。「傲慢なところがある」。「ひたすら富と豊かさを求める」。「自分の富と利益が損なわれるようであると友達でも容赦なく文句を言い、喧嘩を吹っ掛ける」。「兄弟のイギリスや親族のイスラエルを大事にする」。その兄弟であるイギリスや親族であるイスラエルは、兄貴分であるアメリカと一緒に荒野で戦うことを当たり前と思っている。さながら西部の荒野の三兄弟のガンマンのようである。アメリカは「日本はときに扱いにくいがよい友人であると思っている」。

 日本はアメリカ以上の超大国になることができるだろうか?私は、それは決してあり得ないと思う。日本にとってアメリカやイギリスやフランスなどは「性格」的に折り合うよい友だちである。しかし、中国や韓国や北朝鮮は「性格」的にどうしても折り合えない。ロシアの「性格」は「ずるい」と言える。しかしロシアの出方次第では折り合えないこともない。

日本人はルーツに中国や韓国・北朝鮮の血も混じっているが縄文・渡来系弥生人が母体である。万世一系の血統の天皇がいる国である。「性格」が折り合わない中国・韓国・北朝鮮と一緒に同じ屋根の下で同じ釜の飯を食い、同じ風呂に入り、共に外敵と戦う、というような暮らし方は決して上手く行く筈がない。               (続く)

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