2011年12月13日火曜日

政道と商道(20111213)

 政治の道(政道)と商いの道(商道)とは、国家観の有無・国境の意識によって異なる。政道は、国家の精神の維持・国家の存続と防衛・国家の発展と繁栄・国民の安寧などを目指す道である。其処に自ずと隣国との緊張関係が存在する。

 今、世界は昔の日本の戦国時代のような様相を呈している。アメリカはアジアにおいて自国の権益が存在する線を日本列島から台湾・フィリッピン・東南アジア・豪州・ニュージーランドに至る円弧としている。そのうち、奄美・沖縄・八重山・尖閣列島から台湾・フィリッピンに至る線は中国が権益の確保を目指しているものである。中国は相も変らぬ「中華思想」により公然と奄美・沖縄・八重山・尖閣列島の領有を目指すことを宣言している。

 さて、日本が生き残る道は何か?政道か商道か?

 中国・韓国がそれぞれの国の「政道」として、日本の弱体化を目指すのは至極当然なことである。いずれの国家も生き残るため最善の選択を目指す。日本が憲法前文にあるような「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」安全と生存を保持しようとすることは理想である。しかし現実は相も変らぬ弱肉強食の世界が続いている。

 政道を行うには「武力」は必須の要件である。日本の戦国時代は「武力」で終わりようやく平和で豊かな時代になった。日本が「武力」以外にいろいろな強い力があると言っても「武力」には絶対かなわない。

 日本がアメリカ以上の「武力」を保有することは不可能である。日本はアメリカとの軍事同盟を維持することしか生き残る道はない。アメリカとて日本との軍事同盟なくしては生き残れない。同様に中国も韓国も日本を敵に回しては生き残れない。

 しかし日本がどの国と組むかという場合、考慮すべきことは「国家の性格」である。性格が合わない国同士が組んでも決して長続きしない。日本は漢字文化圏にあると言っても性格的に欧米とは、たとえ一時的に大喧嘩しても後は必ず上手くゆくことは間違いない。

 政道と商道の両道は車の両輪である。それぞれの国同士交易を活発にし文化の交流を盛んにし、それぞれの国民同士お互いに理解し合い、信頼関係を深め、政道において無益な武力衝突をしないようにしながら政道・商道の同じ道、世界の平和と諸国繁栄の方向に進まなければならない。17世紀の日本が戦国時代を経て平和で豊かな江戸時代になったように。