2011年12月12日月曜日

「渡部昇一『日本史』を読んで日本人はどうあるべきか考える」は韓国併合までをもってひとまず終結させる。(20111212)

渡部昇一『決定版 日本史』には日米開戦のいきさつについてこう書き出している。

 “日露戦争の勝利は、世界に大きく三つの変化をもたらした。

 第一は、当時迫害されていた世界の有色民族のリーダーたちに独立の希望を初めて与えたこと。これは第二次大戦を経て続々と独立を達成した国々のリーダーたちの言葉によって証明されている。

 第二は、日本が世界的に大国として認知されたこと。ロシアに勝利したことで、日本は押しも押されぬ強国になったといってよいだろう。

 第三は、アメリカが日本を敵視するようになったこと。日露戦争は日米戦争へと向かうきっかけとなったのである。

 なぜアメリカが日本を敵視するようになったかといえば、アメリカは世界史をよく知っていたからである。世界の歴史では、小さな陸軍あるいは弱小な陸軍が奇襲攻撃を用いたりして大きな陸軍に勝ったことはしばしばあった。それは珍しいことではないし、世界の大勢に影響を与えることもあまりない。ところが、海上の戦いは文明の戦いであり、その勝敗が後の文明のありかたを決するのである。・・(中略)・・

 すべて海軍の戦いの勝敗で時代が大きく動いている。それだけに、日本海海戦で日本の連合艦隊がロシア艦隊を撃破したとのニュースはアメリカに衝撃を与えた。それまでは無視してもいいような小国で、むしろ同情さえしていた日本海軍がロシアの戦艦を何隻も沈め、自分のほうの軍艦は一隻も沈んでいない。この結果にアメリカは恐怖を覚えたに違いない。文明の変化が起こると感じたはずである。

 中国海軍の膨張に対してアメリカは強い警戒感を抱いているに違いない。TPPは中国封じ込めのためアメリカ主導で進められている。日本がアメリカの傘下に入り、強固な軍事同盟で中国に対峙することは中国にとって「生きるか死ぬか」の大問題である。

 中国はあらゆる謀略を用い、日本国内にシンパを増殖させ、沖縄県民の心を反戦・琉球独立に向かわせ、台湾国民の心を中国復帰へ向かわせ、日本国内にTPP反対の声を増大させようとしている。第一列島線・核心的利益の戦略の継続は中国の国家意思である。

 万物と同様に、人でも国でも「生き残る」「自存」の力が備わっている。その力は本来兼ね備えている自然のものである。しかし人でも国でもその「自存力」の根源を知り、その「自存力」を高める努力をしない限り、生き残ることは非常に難しくなるだろう。

 日本国の「自存力」の根源は、この日本列島に住みつき悠久の歴史を持ち、万世一系の天皇を頂いている日本民族一人一人の生来のDNA、これは大陸人とは異なっている部分があるDNAと、日本の精神文化や大和魂を形成している伝統的なもの・伝承されているものの二つである。DNAを「体内遺伝子」とすれば、後者は「体外遺伝子」ともいうべきものである。

この「体外遺伝子」は、戦前までは「皇国史観歴史教育」と「教育勅語」によりしっかりと維持され補強されていた。戦後それがなくなった。これは日本という国家の危機である。目には見えない危機である。日本はここに先ず対処すべきである。

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