2011年12月15日木曜日

「武」というものに目を背けるな!(20111215)

日本人が戦後敢えて考えようとしてこなかった「武」というものに視点をおいて考える。

もう一点は、「生き残る」という言葉が単刀直入すぎるかもしれないが、どの国も生き残ることを目指している。現実の世界ではどの国も自立した国として他国との間で生存競争を行っている。そういう現実の世界で日本が生き残る道は何だろうか?

①今直ちに国家総動員してアメリカを凌ぐ軍事力を保有し、自ら一国だけの力で我が国の国体を維持し、領土領空領海・排他的経済水域を保全し、繁栄と平和を実現するのか?

②アメリカと軍事同盟してお互いに防衛するのか?(現状では集団的自衛権は行使できないため、攻撃されているアメリカ軍を助けることはできない。憲法改正は絶対必要。)

③中国の主張を受け入れ、奄美・沖縄・八重山・尖閣を中国の支配に委ねるのか?

「商道」は交易を盛んにし、お互い富を得る道である。この道なしでは日本の繁栄はないだろう。お互いの国民同士の文化的交流も限られ相互理解も進まないだろう。しかしそれだけでは国は守れない。軍事力を行使する「政道」と上記「商道」とは車の両輪である。

もし中国が国家意思として掲げる(共産党綱領に書いている)「奄美州・沖縄州・八重山州」などを削除し、尖閣は日本の領土であることを認め、東シナ海油田で合意を実行し、不法な海洋調査をやめるならば、日本は中国と仲良くなれるだろう。日中間の貿易量は日本から中国への輸出が1090億ドルに対して中国から日本への輸入は960億ドル(2009年財務省貿易統計)であり、輸出入量はほぼ均衡している。日本と中国の間の「商道」における一衣帯水の関係は今後ますます深まるだろう。しかしだからと言って「政道」までもそうなると考えるのは大いに間違っている。なお、アメリカとの貿易量は日本からの輸出が1300億ドルに対し輸入が540億ドルとかなり不均衡である。

竹島も然りで、もし韓国が竹島の実効支配を放棄するなら日韓はもっと友好的になれると思う。しかしこれも「政道」において日韓両国の間には根強い不信感がある。中国も韓国も「政道」において日本を敵視し、幼児の段階から反日思想教育を行っている。

明治の軍人たちは日本の生き残りのため戦い、血を流した。平成の軍人(制度的に存在しないので、ここでは仮に自衛官)は、国家観のない政治家たちの下で歯ぎしりしていると思う。それでも自衛隊はアメリカ軍との連携の必要性を認識し、日米協同軍事訓練に励んでいる。先の3.11大災害発生時、アメリカ軍は直ちに「トモダチ」作戦を展開した。

私は日本の安全と独立を維持するためには、強固な日米軍事同盟しかないと考えている。その一方で、日中・日韓軍人(日本は自衛官)同志の交流を行い、相互理解と不測の事態の防止を行うようにすることが賢明なやり方であると考えている。

日本人は現実をよく見つめるべきである。国が亡ぶことを先人たちは決して望んでいない筈である。現実の中で最善の選択はなにか、この点で日本人の間で意見が分かれている。

その根本原因は、戦後日本人が「武」というものを忌み嫌い、遠ざけていたためである。「武」なくして日本は世界の中で生き残って行けない。「武」なくして日本は奄美・沖縄・八重山・尖閣各列島を中国の侵略から守ることはできない。また日本単独の「武」力ではおぼつかない。強固な日米軍事同盟は絶対必要である。中国はそれを嫌っている。

0 件のコメント: