2012年10月25日木曜日


日韓関係の改善のために(66)「宮本武蔵(20121025)

 日本人は人間関係において、「以心伝心」「気働き」など言葉で表現されるように「言わなくても分かる」という気持ちがある。ところがそれは誤解を招きやすい。相手は「言われなければ分からない」のである。同じ日本人同士でもそういうところがある。それが日本人と外国人の間となると、「言わなければ分かってもらえない」ことが多くなる。

 国家と国家同士では、「言わなければ分からない」どころか「力ずくで分からせる」ことが必要になる。それは一人の武士、例えば宮本武蔵が大勢の敵の中で精魂を振り絞って戦い、勝って生き残る場面を連想させる。もし、そのような場面でもし宮本武蔵が自分の弱みを見せ、何かに頼る気持ちを見せていれば、宮本武蔵は歴史に名を残していなかっただろう。尖閣諸島や先島諸島近海でシナ(中国)海軍の行動が活発化してきている。こういう状況のときに、日本はシナ(中国)に対して微塵にも弱みを見せたり、決して何かに頼る様子を見せたりしてはならない。シナ(中国)に対しては、日本は、もしシナ(中国)が越えてはならぬ一線を越えた場合には、「力ずくで分からせる」という気迫を示さなければならぬ。今の政府にはそのような気骨ある人物は皆無である。

 韓国に対しても同様である。韓国の国会議員らが竹島に上陸した。韓国は心情的に日本に勝ちたいという「克日」の気持ちが強い。竹島は自分たちが力ずくで自分のものにした島であるという気持ちがあるから、韓国人にとって竹島は「克日」のシンボルなのだろう。だから韓国は日本からいくら「不法占拠」と言われても一向に構わないのである。これは日本人にとって極めて腹立たしいことであるが、日本が隣国との間で「友好善隣」「経済繁栄」を最優先して付き合おうとしている限り、この問題は決して解決されないだろう。

 日本はシナ(中国)に対しても韓国に対しても、当面は「忍」の一字、「耐」の一字で「我慢」し、「辛抱」するしかない。「当面」と言うのは、日本人自身が「何事も丸く、丸く、事を荒立てない生き方」に慣れきっているから、先ずは「万止むを得ざる場合には、事を荒立てることも辞さぬ」という生き方もできるようになるまで、という意味である。政治・経済・外交・軍事・防衛・教育の各面で、指導者たちの世代交代が終わり、日本人の意識が変わるまでは、シナ(中国)や韓国が一線を越えた場合、その誤りを「力ずくでも分からせる」ことができないからである。

物事には常に二面性がある。戦勝国であったアメリカから押しつけられた憲法であってもこれまで良いことは沢山あった。しかし、今、日本は「宮本武蔵」にならなければならないような状況に置かれつつある。日本は自主憲法を制定し、教育勅語を復活させ、旧皇族の皇族復帰を実現させ、天皇を崇敬する国家の秩序を取戻さなければならない。