2012年12月20日木曜日


「一票の格差」違憲提訴に思う(20121220)

 正義感に燃えた方々なのか、反国家的思想を持っている方々なのか、その実態は把握していないが、弁護士のグループが「一票の格差」を違憲として各地の裁判所に提訴した。

 法曹人口が増えると訴訟も増える。その中には一般常識で見ると提訴や弁護がおかしいような事案が多々見受けられる。良心に照らして、天に問うて、全く正しい提訴や弁護ならば何も問題にすることはない。しかし弁護士たちがなにか個人的な、或いはグループ的な利益を得るためとか、或いは反国家的な思想の故とか、或いは好意的にとれば権威に逆らいたいと言う反骨精神の故とか、そういうことで提訴や弁護を行うならば問題にしなければならない。

 今回の国政選挙では比例区で当選した方々の得票数について概観してみた。比例区では、小選挙区における得票数よりも少ない得票数で当選することが多い。その得票数が小選挙区で当選した多くの方々よりも少ない例として、例えば、比例区で当選したある政党のA氏の場合、得票数は69,377票であった。一方、比例の南関東ブロックの34選挙区で当選した34名の方々のうち、A氏より得票数が下回っていた方は神奈川県の18の選挙区のうち2選挙区で二名、山梨県の三つの選挙区のうち3選挙区で3名、合せて4名だけであった。また比例の四国ブロックの中の各小選挙区総数13のうち、A氏より得票数が下回っていた方は徳島県の3選挙区のうち2選挙区の2名、愛媛県の4選挙区のうち1選挙区の1名、高知県の3選挙区のうち1選挙区の1名、4名であった。

 1選挙区一名の小選挙区で当選できない人でも比例区で当選することができるということは、一票の格差の問題を考える上で重要なポイントである。「一票の格差」について各地の裁判所で今回の総選挙が無効かどうかを判断するとき、比例区で180名もの国会議員を選出することができる今の仕組みのことも十分考慮に入れるべきである。

 訴訟社会とはいえ、一部の声を大にして自己主張する連中の、その大きな声は聞きやすい音量になる程度にするように耳に栓をして聞くことが必要である。一市民として弁護士にお世話になるいことはあるが、弁護士に思い通りにさせないということが必要である。学歴が高く成熟した社会では、石原慎太郎氏がいうような「ふわっ」とした空気の中に人々の正常なものの見かた・考え方がある。東京都知事選の結果は如実にそれを示している。