2012年12月9日日曜日


日韓関係の改善のために(111)「日露戦争への道/韓国併合への道(続き)」(20121209)

 今の日本に「守旧派」と言われてもよいような勢力はあるだろうか?日本維新の会の代表である石原慎太郎氏はさすがに小説家である。こういう趣旨のことを言った。「原発(原子力発電所)はもう廃止すべきだ。消費税の増税はして欲しくない。このような声は日本国民の中に漂う‘ふわっ’とした空気である。一方で日本の領土は脅かされる。国の借金は増える一方である。経済は悪くなってきている。日本はますます駄目になってしまう。なんとかして欲しい。このような声もまた国民の中に漂う‘ふわっ’とした空気である。政治家はそのような空気を嗅ぎ取って政治を行わなければならない」と。

 国民の間に漂う‘ふわっ’とした空気を敏感に嗅ぎ取ろうとはせず、例えば「金持ちや大企業から税金を搾り上げる。弱者への給付を増やす。日米安全保障条約は廃止して友好条約に変える」などと自分たちが昔決めた教条的な主義主張を決して変えようとはしない政党や政治家たちは今の時代の守旧派である。日本共産党や社会民主党はその類である。また「民主党は公約を破った。我々は民主党の原点に立ち戻る政治をする。国民の生活が第一である。消費税を上げない。日本の政治に対する官僚による支配を打破しなければならない」と主張する政治家たちも自分たちが初めに決めたことをかたくなに守ろうとする守旧派である。また核廃棄物の処理の問題、将来必ず起きる化石燃料枯渇の問題、再生エネルギーによる代替可能なエネルギーの量などの問題などに対しては目をつぶり、願望・期待だけで「十年後に全ての原子力発電所を廃止する」主張する「日本未来の党」などもポピュリズムに迎合し、自分たちの勢力を増やそうとする守旧派である。

 今日の日本のように、メディアを通じて非常に多くの国民情報が共有される社会では、守旧派の勢力は次第に局限されるようになってきている。3年前までの自由民主党は派閥が守旧派であったが、今やそれは「勉強会」程度の政策研究グループだけになり、政治家を育てるのは党本部が行う方向に進んでいる。民主党は自ら守旧派を切り捨てて足腰の強い政党に生まれ変わろうとしている。そうしないと党として生き残れなくなっている。日本のように狭い国土で多くの人口を抱える国における情報通信と運輸交通の著しい発達は、世界で最も理想的な国家になるだろう。

 守旧は伝統とは違う。日本には世界で最も古い伝統がある。それは神武天皇以来一系の天皇を頂き、天皇が日本の精神の中心にある伝統である。其処は日本国家の性格の基本を形づくっている伝統である。幕末の日本は武士階級が自らの利益を捨てて国家の統治体制を変えた。江戸時代、武士たちは伝統を守りながらも常に改革を目指してきた。武士たちは守旧派ではなかった。だから日本は東アジアでいち早く近代化を成し遂げることができた。日本が大韓韓国を併合することになったのは、韓国皇帝を初め韓国内の守旧派が朝鮮民族の存続を危うくし、ひいては日本の防衛にも危険が生じてきからである。(続く)