2013年1月20日日曜日



「平癒祈願」の願いは届くか?(20130120)

 田舎に住む親戚の叔父87歳ががんの為入退院を繰り返している。昨年11月のある日、昨日までグラウンドゴルフを楽しんでいたのに体調不良を感じて病院に行ったら「肺がん」であることを知らされ、急遽入院した。その叔父と叔母は男の女房が小さい頃父親代わりのような存在であった人であり、男もいろいろ世話になっている。男と女房は叔父が入院したというので急遽田舎に帰り、入院中の叔父を見舞った。

 その翌月、老人施設に入居中の母(叔父の姉・女房の実母・男の継母)に会うことも兼ねて年末年始を田舎で過ごすため新幹線の切符を買っていたが、その施設から「ノロウイルスが流行っているため面会はできない」旨知らせがあった。その施設では男と女房がわざわざ遠方から帰ってくるので、特別に別室で母に会って頂くようにしていると言ってくれていた。しかしその好意は有り難く受け取って、こちらもノロウイルスを持ち込む可能性はあるので面会はお断りした。母は女房に「お正月には帰ってきてくれるの?」と電話の向こうから言っているという。今年94歳になるその母は認知症の症状が進んでいるようである。お正月はとっくに過ぎているが「お正月には帰るからね」と言って安心させている。叔父はその母の弟である。

 遅い初詣であったが川崎大師にお参りし、その叔父の病気平癒を祈願した。護摩のお札は10日ほど後に田舎の叔父のところに届けられるというので祈祷料とともにその郵送料も払っておいた。ところが10日過ぎても叔父のところにそのお札が送られて来ない。川崎大師に電話を入れて確認したら「昨日80%まで送ることができた。21日までには必ず届く」という返事であった。田舎から出てきて都会地に住んでいる人たちが川崎大師でお参りして故郷の親などに護摩のお札を送っている。その数があまりにも大量であるため祈祷に時間がかかり祈祷を終えたお札の発送にも時間がかかっているのだろう。そう思っていたら田舎から電話が入り、そのお札が届いたという。

 非常に多くの善男善女が川崎大師にお参りし、護摩の祈願をしている。勿論その護摩の祈祷のためお札の大きさに応じて一定のお金を払う。それは商売のようなものである。護摩を申し込む場所の混雑を緩和するためその手続きは流れ作業のように行うことができるようになっている。川崎大師には相当な収入があることだろう。それでもご利益があるのかと男は思う。しかし叔父は届けられた護摩札を家の中の聖なる場所に飾り、男の女房が自分のことをこれほどまで思ってくれていると喜んでくれることだろう。そして闘病の意欲が増す。これがご利益である。

 世の中は理屈では分からないような現象が起きる。叔父の肺がんも薬によって縮小している。あと一回の抗がん剤を使えば完治しそうだという。それは叔母の話であるが・・・。