2013年1月4日金曜日


念彼観音力(ネンビーカンノンリーキ)(20130104)

 テレビを見ていたらある有名人やコメンテーターが、「民主党政権以前に原発(原子力発電)政策を進めて来たのは自民党(自由民主党)である。福島第一原発(原子力発電所)事故について、自民党は先ず国民に謝罪すべきである」と興奮気味に話していた。

 これはおかなことである。その人たちは自民党に投票しなかったかもしれないが、政権与党が自分の支持政党であろうとなかろうと政権与党は国民の総意を代表している。従ってたとえ自分が支持していない政党が政権与党になったとしても、その人は国民の一人としてその政権与党が推進してきたことに一端の責任がある。従って民主的な手続きによって選ばれた政権与党はその推進した事柄が上手く行かなかったからといっても、自ら反省し政策を改めることは当然であるが、そのことについて国民に謝罪する必要は全くないと思う。その人は、政権与党がやっていることを気に入らないならば、次の選挙でその政権与党が再選されないように日常から地道な運動をすれば良いだけのことである。

 それは原則論であろう。実際には政権与党は反対勢力の力を削ぐため、あらゆる手段を講じることだろう。マスメディアを自分たちの側に付けようとあの手この手を使って努力することだろう。であれば反対勢力も同じようなことをして頑張れば良い。

 社会的運動のエネルギーの源は資金とネットワークである。どんな弱小な反対勢力であっても、民主的な国家においては、弱小反対勢力は弱小反対勢力として知恵を絞ぼれば、資金を集めることはできる筈である。ネットワークも高度化させることができる筈である。

 往々にして犯しやすいことは、そのような知恵の絞り方である。アンフェアの考え方で、アンフェアな行動をすれば、一時的に良い結果を得るかもしれない永続性はないだろいう。狭い了見の人たちはとかくアンフェアな考え方に傾き、アンフェアな行動をしがちである。

 それは一つの「矛盾」を孕むものである。「矛盾」は何時かはじけて「中和」しようとする。それが自然の現象である。社会の現象もまた同様である。

 このような形で解決される「矛盾」は、元々心正しくない人たちが生み出すものである。心正しい人たちは、常に幸運が巡ってくる。それは「不思議」と言えば「不思議」な現象である。それは実感できる者にしか実感できない「不思議」である。それは文字通り、「考え計らぬこと」である。観音経はその「不思議」について盛んに説いていると思う。例えば「念彼観音力 或被悪人逐 (ネンビーカンノンリーキ ワクヒーアクニンチーク)」。