2013年1月8日火曜日


省エネ(エネルギー節約)対策(20130108)

 昔、青森に住んでいた頃、新しい集合住宅に入居していた。3LDKの広さだったが、冬の間熱交換式の石油ストーブ一台だけで全室十分暖かかった。室内ではシャツ一枚でも過ごせたが、一旦外に出ればしびれるような寒さだった。その集合住宅では窓は全て二重窓だった。壁の内側には十分な断熱材が詰められていたのだろう。ところが転勤して関東に戻ってくると冬は寒さに震えた。光熱費もかさんだ。

 毎年冬になると、窓が結露でびしょ濡れになる。その窓の水を拭き取る作業が日課の一つになる。ホームセンターに行くとこの結露対策のための品々が売られている。これまでそれらの品はガラスの表面がつるつるの窓でないと使えないものばかりだったが、先日、良い物が売られていた。それはサッシ窓枠にポリエステルのフィルムを粘着テープで固定し、ガラス窓とそのフィルムの間に密閉した空間を作る方式のものである。寒冷地の二重窓のようなものをポリエステルの薄いフィルムで作ろうというものである。90㎜×180㎜mが1250円ほどする。これを一本買ってきて試に半窓の部分に貼ってみた。難しいのは鍵の部分である。初めてなので上手くできず、結局ガラス窓との透明フィルムの間に隙間ができて室内の暖かい空気がその隙間から侵入し、結露してしまった。これは新しいものと取り換える必要がある。

工事の要領が呑み込めたので各部屋の窓すべてを同じ製品で二重構造にしようと作業に取り掛かった。慣れてきて作業にあまり時間をとられなくなった。仕上げはドライヤーでフィルムの皺を延ばす。ドライヤーを近づけ過ぎたり、同じ個所に長く熱風を吹き付けたりするとフィルムが縮んでしまうので、熟練した職人並みに要領よく行う。

このフィルムの効果はある。アルミのサッシ部分には室内の暖気が直接当たるので、其処はどうしても結露するが、ガラス窓の部分は結露しなくなった。実際に計測していないのでなんとも言えないが、断熱効果はありそうである。従来、断熱効果が高いカーテンで省エネを行っていたが、これだと更に省エネ効果が上がりそうである。

日本の住宅は古来、全く省エネが考慮されていない。夏はなるべく涼しくなるように工夫されているがその分冬は寒い。夏は涼しく冬は暖かい住宅は少ない。我が家は西側以外すべて窓があり、採光・風通しともに良く、各室冷暖房完備なので快適である。しかし、今言ったような結露という欠陥がある。寒冷地の住宅に比べ、冬期の光熱費がかさむ。日本ではエネルギー安全保障が深刻な問題になっている。政府は新築の住宅は元より、一般の既存の住宅においても断熱効果を上げるような政策を推進すべきではないかと思う。