2013年1月21日月曜日


スマートフォンを利用するオンデマンドの公共バスのシステム(20130121)

 東京大学が開発したというスマートフォンを利用するオンデマンドの公共バスのシステムについてテレビ番組で紹介されていた。バスの利用者が年々減ってゆくなか、各地の民間のバス会社では工夫をこらして乗客数を増加させようと努力している。従前、民間の公共バスは長年国家によって一定の規制をされるとともに保護もされてきた。各家庭で個人の自動車が1、2台あるというのが当たり前の時代になって、特に田舎では、高齢者たちは不便な公共バスよりも自分自身や自分の家族が運転する自動車で何処でも気軽に出かけるようになった。この結果乗者数の少ないバス路線が廃止されるようなり、都会地は別として、田舎では公共バスは時代遅れの乗り物となってきている。

 田舎では、自分自身で車を運転できない年寄りたちは家にいる嫁や孫たちに頼んで病院や買い物などのため外出しなければならない。嫁や孫たちに快く送ってもらうため、年寄りたちは気を遣う。例えば一回につき数千円お小遣いとして渡したり、お世辞を言ったり、何かと同情して貰うようにしたりしなければならない。遠慮もしなければならない。これは田舎の年寄りたちにとってストレスである。年寄りたちはそのストレスのため体調を崩したりする。年寄りたちが体調を崩して入院することを内心喜ぶ家族もいることだろう。

 東京大学が開発したというスマートフォンを利用するオンデマンドの公共バスのシステムでは年寄りたちがごく簡単な操作でスマートフォンを利用し、自宅の前まで公共バスを呼ぶことができる。しかも、何時何分ごろ自宅の前にそのバスが到着するのかスマートフォン上の画面で知ることができる。そのバスは予め決められた運航路線というものがなく、時刻表もない。途中飛び入りの乗客がある場合に、そのバスの到着を待つ年寄りには自宅の前にそのバスが到着する時刻が変わったことが知らされる。言うなればそのシステムは相乗りタクシーのような便利さと、バスの到着時刻が判る便利さが一緒になったようなシステムである。しかも地域社会の中で顔見知り同士がそのバスの中で語り合ったり、一緒に買い物に行ったり病院に行ったりするので、対面会話の機会が増える。

 そのオンデマンドの公共バスのシステムについては、地方の自治体が深い関心を示しているという。地方自治体でこのシステムを導入すれば、年寄りたちは家族に気を遣うことなく自由気ままに外出し、楽しむことができる。不健康な年寄りたちが減る。地域が活性化する。地方自治体は年寄りたちのため使う予算を減らすことができる。東京大学は非常によいシステムを開発してくれたものである。さすが東大!安倍新政権はこのシステムを是非全国的に広めるように、必要な施策を講じて貰いたいものである。