2013年1月5日土曜日


叔母からの電話 (20130105)

 K市に住む叔母から突然電話があった。私がインターネット上に公開している吟詠を初めて聴いてくれて、驚いて電話をくれたのである。

 叔母は私が子どもの頃、京城(現ソウル)女子師範学校を出て朝鮮で教師をしていた。大東亜解放戦争後はM県で教師をしていた。子供の頃、私はその叔母に大変世話になっている。叔母は私よりずっと年長であるが、私も既に今年76歳にもなる老人である。

 叔母は「声が伸びて朗々として素晴らしい」と何度も褒めてくれる。「もう四つ聴いた」と言う。私が「20093月以来、毎月僕の吟詠を公開しています」と言うと叔母は一層驚いてしきりに感心してくれている。私が自分で納得できる吟詠だと思っている菅原道真の『九月十日』も聴いてくれただろうかと思う。

 年を取れば気道も細くなり、声量も減り、声の響きがなくなってくる。季節によっても声の状態は変わる。夏季は体調も悪く、いい声が出ない。去年は特にひどかったと思う。その最も大きな原因は、私自身が自分に甘かったことにある。一流のスポーツ選手は自分の記録を維持し、更に伸ばすため真剣な努力を重ねている。「自分はどうか」と自問すると、真剣さが足りない。努力が足りない。いい加減である。これでは、私の吟詠を聴いてくれている不特定多数の多くの人たちに申し訳ない。そう思いながらこれまで努力をしてきてはいるが、必死の努力にかけていると思わざるを得ない。

 叔母は私の吟詠を褒めてくれたが、私は加齢と逆らいながらもっとよい吟詠をネット上に公開できるように頑張ろうと思う。元日にあたり「一年の計」を考えたが、そのとき自分の吟詠のことが頭に無かった。叔母から突然電話を頂いたのを機に、今年は良い吟詠を公開するように一層努力することも目標に加えることにする。