2010年6月3日木曜日

ブッダ『感興のことば』を学ぶ(75) (20100603)


 鳩山首相が辞任した。小沢幹事長も辞任した。普天間基地問題及び政治と金の問題で行き詰まったのである。両氏の辞任で民主党への支持率は少し上がるだろう。男は民主党政権発足後、国の安全を脅かすような動きに対して大きな憂いを感じていた。そのことはこのブログの「憂国」や「政治」のラベルの記事に書いてきた。(今後、‘男’が書く。)

 鳩山氏は寺島実郎氏の考え方に大きな影響を受けていたと言われている。鳩山氏は「在沖縄のアメリカ海兵隊が抑止力となっていることを総理になって初めて学んだ」と言ったが、鳩山氏は総理大臣になる以前から‘抑止力’というものについてしっかりとした考え方を持っていなかったのでなないかと思っている。抑止力はアメリカに全面的に依存しているわけではない。抑止力は日米双方の軍(日本は自衛隊)の協同作戦により効果を発揮するものである。日米お互い足りない部分を補完し合って、初めて抑止力となるものである。長年平和ボケした日本人は、「アメリカの核の傘」だけが抑止力と思っていて、鳩山氏もそう思い込んでいたのではないかと思う。

 男は、日本の国の指導者に志す者は次のことを予め勉強しておいてほしいと思っている。一つは日本の古代から中近代の歴史である。663年の百済の白村江で、天智天皇が派遣した総勢4万1千人、戦闘船1千艘のわが日本軍(当時‘倭軍’)は大敗した。その後唐・新羅連合軍の来襲に備えて天智天皇の弟・大海人皇子は對馬などに防衛隊を置いた。その時代のわが国の苦難の歴史、またその後1019年の刀伊の侵入、1274年と1281年の2度にわたる蒙古来襲のときのわが国の対処の歴史について学んで欲しいと思っている。

 もう一つは他国に不法に実効支配されている北方領土及び竹島に関する歴史、特に不法に実行支配されるに至った経緯である。次に尖閣諸島および沖ノ島の領土保全のことである。最後にわが国の領土・領空にちょっかいを出す中国やロシアの軍に対抗するわが国の自衛隊(男はこの用語が嫌いである。憲法を改正して‘日本国防軍’‘英語名:Japan Defense Forces’と呼称すべきである。)、警察及び海上保安庁(男はこの用語も嫌いである。憲法を改正せずとも‘日本沿岸警備隊’、巡視船の船腹に表示してあるとおり英語名は‘Japan Coast Guard’と呼称すべきである。)の存在意義及び現状の問題点についてである。

 現実の世界では武力なしには相手に軽んぜられる。馬鹿にされる。相手が強いと認識すればその相手に敬意を払い、相手が弱いと認識すれば、相手を見くびる。国を人間に例えれば、武力である手足は、脳の指令だけで完全にコントロールされているわけではない。国も同じである。政府が完全にコントロールしているわけではない。現に、ロシア軍機の行動に対処するため航空自衛隊は今でも緊急発進している。中国の軍艦の行動に対処するため海上自衛隊は今でも警戒監視行動を続けている。それが現実である。

20 愚者は、千の句をとなえても一の句さえも理解しない。聡明な人は、一つの句をとなえても百の句の意義を理解する。