2010年6月24日木曜日

ブッダ『感興のことば』を学ぶ(96) (20100624)

今回のサッカーワールドカップに中国は参加していないが、北京などでは大型スクリーンで多くの市民たちが観戦しているという。日本の戦いぶりに対する中国人の反応は冷静に見なければならないが、20日付の北京青年報では日本の戦術を「あと一歩で成功したが、運が悪かった」と評している。

先日の日本対オランダ戦では、北京の繁華街に設けられたスクリーン前に500人以上が集まって観戦、22歳の北京大学院生・李甜さんは「みな技術がとても高く、見ているだけで面白い」と語った。その一方でネット上では「オランダはよくやった」と喜ぶ声もあった。日本対カメルーン戦では「日本は買収したに違いない」という書き込みがあり、韓国がギリシャを下したときは「アジアの勝利」と喜んだという。

先日、上海万博日本海上で高校生たちによる踊りが披露され、見ていた中国人は「日本は自国の文化をもっと紹介すべきである」と語っている。日本と中国の間の経済交流は益々盛んになり、日本への観光客の誘致、留学生や研修生の受け入れ等で日中双方の相互理解は今後一層深まってゆくことであろう。

日中双方の大衆レベルでの文化交流が深まれば相互理解も深まり、「正義」という観念について一方に偏ることがない状況が次第に生れてくるだろう。そうすれば黄海の油田開発や尖閣諸島領有や中国の軍事費増強の問題などで生じている日中間の緊張も次第にほぐれてゆくことだろう。日本は中国への警戒を継続しつつ、一方で一般大衆レベルでの相互理解を増進するという政治外交の大原則をもたなければならない。

菅総理が理想として掲げる自信に満ちた強い日本になるため、男は国家戦略局や危機管理室や防衛省などの政府機関の間で、対中国政治外交政策について意思疎通を図り、政権が代わっても変わらない国家戦略を共有する制度があってよいのではないかと考える。実際には既にそのようなことは行われているのかもしれないが・・。

男は、人間個体でも生物学的遺伝情報だけではなく、‘体外’遺伝情報ともいうべきものがあると考える。人間は‘体内’遺伝情報と‘体外’遺伝情報の両方があって存続し続けるのだと思う。そのような考え方は地方自治体レベルでも国のレベルでも同じように持たなければならないと考える。

男がわが家の家伝書作成に情熱を注ぐのはそのような考え方に基づいている。国家のレベルでも、憲法とか伝統文化とか記述され記録保存された可視的な‘遺伝情報’がある。しかし対外的な政治外交政策についてはどうであろうか?勿論、機密・極秘扱いの部分はあるだろう。しかし、その中に政権が代わっても変わることのなく伝わる情報はあるのだろうか? つまり男が言う国レベルでの‘体外’遺伝情報はあるのだろうか?

26 愚人とともに歩む人は長い道のりにわたって憂いがある。愚人と共に住むのは、つらいことである。まるで仇敵とともに住むように。心ある人々と共に住むのは楽しい。親族と共に住むように。

0 件のコメント: