2010年6月13日日曜日

ブッダ『感興のことば』を学ぶ(85) (20100613)

男は来月末の吉日に行われる親戚の結婚式に女房とともに招かれている。その親戚と言うのは女房が子供の頃から思春期のころまで実の子のように育てられた家である。女房は大家族の家で叔父さんや叔母さんたちの末っ子の妹のようにして子供時代を過ごした。男はその家の叔父さんのご長男の、そのまたご長男の結婚披露宴での祝辞と祝吟を依頼された。

そこで男はかつて所属していた詩吟の団体の宗家が吟譜をつけた桧垣賀陽の『結婚式』を吟じることにした。これには「君が晴着の御(み)姿に あやかり遊ぶ鶴と亀 尾上(おのえ)の松の深みどり 幾千代かけて 祝わなむ」という今様が付いている。男はこの今様を列席の皆さまに一緒に唱和してもらおうと思っている。祝辞は至極簡単に「苦しいときも楽しいときも夫婦あいたすけて末ながく幸せに」程度にし、吟に力を入れる。

男はプロではないがこの種の吟ならば自信をもって披露することができ、喜んでもらえると確信している。そこで毎日練習をしている。お腹から声を出し、頭蓋骨からつま先までの骨の全体を意識してこれを振動させるように心がけている。これがまた健康法につながる。実はこの骨を意識する発声法は先日テレビで狂言の野村萬斎氏が出演していて、彼が発声する音の質と拡がりが科学的に分析されているのを見てヒントを得たものである。

今自分が張りのある声を出しているかと言えば全くそうではないが、男はいくら齢をとっても最期まで張りのある声を出し続けるように努力したいと思っている。そのためあれやこれは発声法の工夫をしている。毎日10分程度でも吟の声を出し、録音してみて少しでも改善しようと努力している。

それが続いているのは男が別のブログで公開している毎月予め決めた吟題で詠うおかげである。自分の下手な吟詠を公開するのはいささか勇気が要る。しかし昨年の3月以来続けてきてある程度開き直ってやっている。

このブログでは毎日のアクセス状況が分かる。人気度は「サークル/部活/学校」の分類で4300余りのブログ中330位のところを上下している。嬉しいのは男が力を入れて詠った『百済を復す』や『青の洞門』にアクセスがあるということである。特に『百済を復す』は江戸時代の歴史学者・詩人の頼山陽が作った詩で、男が日本書紀などの歴史書を調べて自ら講釈したものである。これは戦後65年経って平和ボケしている日本人が自覚を新らたにするあめ是非多くの方々に読んでもらい、聴いてもらいたいと願っているものである。

男はこの講釈をするにあたって歴史書のほか渡部昇一の『古代史入門』(PHP研究所刊)を参考にした。古代、わが国は中国から多くのことを学んできた。その一方で日本は大陸の脅威に怯えてきた。地政学的に大陸側を中心に日本列島を見れば、大陸側の人々は日本をひと飲みできそうな感覚になるだろう。大陸の国々との平和友好関係を保ちながらも、日米同盟の深化、わが国自身の専守防衛力の維持・状況に応じた増強は是非必要である。

5 この世の中は暗黒である。ここではっきりと(ことわり)を見分ける人は稀である。網から脱れた鳥のように、天に至って楽しむ人は少ない。

0 件のコメント: