2012年3月25日日曜日


身の程を知る(20120325)

 多くの日本国民は、この日本の国土が日米安保により、また日本の総合的国力により、また不足ではあるが自衛隊の戦力により守られていると思っているであろう。だが本当にそれで大丈夫なのか?

 多くの日本国民は、アメリカが強大な軍事力を持っていることは分かっている。軍事力において日本はアメリカに太刀打ちできないと思っている。しかしもし日本が核兵器を保有していたらどうだろうか?それも長距離核ミサイルを保有していたらどうだろうか?その場合、日本はTPP問題などでアメリカに対する発言力が増大するだろうか?

 多くの日本国民は、日本がここまで豊かになり高度な技術力を保有することができたのは日米安保のお蔭だと思っている。一方でTPP問題のように、かつてはオレンジや牛肉などのように、また自動車のようにアメリカからいろいろ押し付けられるのを嫌がっている。日本はそのつどその押し付けを受けてもそれを乗り越えてきた。今、最後の押し付けがTPPである。

TPPは日本にっては最も困難な問題であることは間違いない。だから日本の政治家は中国に接近したりしてアメリカを牽制しようとしている。ただ、この接近はしっかりとした国家観を持った上でないと危険である。今、中国に接近しようとしている与野党の政治家たちにはしっかりとした国家観があるとは思えない。売国的な軽薄な政治家たちばかりであると思う。それは戦後教育のせいである。彼らはそのことに気付いていない。

一方でTPP反対を唱える人たちの中には日本が世界の中で生き残ってゆく力について過信している人たちがいないだろうか?TPPに関連して反米感情をむき出しにしている人たちは居ないだろうか?

ルーズベルト大統領が日本を戦争に引き込んだのは事実だろう。またアメリカが広島や長崎に原爆を落とし、東京初め各都市に焼夷弾の雨を降らせ、無差別に何十万人という日本の市民を殺戮したことは紛れもない事実である。そこに人種的偏見が無かったとは決して言えないだろう。だが、それらのことをもって日本国民に対し反米感情を煽っている人は皆無だろうか?

身の程を知れば、日本はアメリカの軍事力なしにはこの世界で生き残って行くことはできない。決してそのようなことは起きないだろうが仮定として、もし、アメリカが本気で日本潰しにかかれば、日本は生き残ってゆくために非常な困難を強いられるだろう。オバマ大統領が日本を素通りして韓国に行き、また現在の国連事務総長もそうであるが、今度は世界銀行総裁に韓国系アメリカ人を指名した。アメリカは日本国民が身の程を知らずものを言い、行動していると思って日本を牽制するような動きに出ているように見える。

身の程を知れば、日本は軍事面でアメリカとしっかり連携し、世界警察を自認するアメリカ軍が日本の周辺で行動する場合、アメリカ軍を軍事面で支援する、つまり「アメリカ軍兵士が日本のため血を流すような事態が起きた場合、日本軍(自衛隊)の兵士(自衛官)もアメリカのために血を流す」制度と日本人の覚悟が無ければならぬと思う。その考え方は間違っているだろうか?

 そのような覚悟と制度が日本国と日本国民にあれば、少なくともその方向性がはっきり示されれば、アメリカもTPPで日本に対して大幅の譲歩をせざるをえないだろう。それはTPPに参加する諸国の期待するところでもあると思う。そういう譲歩があればTPPは日本に多大の利益をもたらすであろう。