2011年3月30日水曜日

与野党団結すべし(20110330)

 イスラエルの災害救助隊が、南三陸町に診療所を設置し、医療スタッフ60人が常駐して診療を開始した。これは医師法の超法規的措置で実現した初めてのケースである。イスラエルによる、このようにレントゲン撮影室も備えた大掛かりな診療所の開設は、アメリカに次ぐ規模の海外からの災害援助である。

 南三陸町は、住民の半数が津波で命を失った。佐藤町長以下幹部が町の災害対策本部で会議中津波に遭い、第二波来襲時、強引く波の中、町長ほか職員10名、その建物の屋上に上がる手すりなどにしがみつくなどして命拾いしている。ある職員の妻が彼女自身の家の2階にあり、家もろとも津波にさらわれて行った。その時町長以下10名の職員は、目の前でそれを見てしまたった。その心中や如何に。しかし皆心を一にし、悲しみ乗り越え、不眠不休で町民のために働いている。佐藤町長以下職員は、正に今の時代の‘武士’である。

 福島県新地町のJR常磐線新地駅構内では、4両編成の列車が大津波を受けて横転したが、40人ほどの乗客乗員は全員無事だった。たまたま乗り合わせていた警察官二人、乗客らを一列に並ばせ高台にある役場まで誘導した。列の後尾で皆について行けない人あり、たまたま通りかかった避難の個人車両あり、警察官これを停止させてその遅れた人を便乗させ、背後に迫り来る津波の中、間一髪全員を救うことができた。迫り来る津波の前で、避難勧告を放送し続けた若い消防官もいた。この人たちも、今の時代の‘武士’である。

 福島第一原子力発電所は、深刻な事態に陥っている。東京電力の社員・協力会社社員たちは、毎日ビスケットの朝食、アルファ米の夕食という一日2食だけの非常食で、放射線を遮蔽する特別な建物内に毛布一枚だけで雑魚寝しながら、命がけ奮闘している。彼らが浴びている放射線量は、一般の人たちに許容されているレベルをはるかに超えている。わが命をかけ、公の為、会社のため忠義を貫き通している。彼らもまた‘武士’である。

 この国難の時に、ロシアや中国は、我が国の防衛態勢をチェックしようとしてわが国の領空・領海に対する侵犯すれすれのことを試みたり。東シナ海の日中中間線の内側(日本側)に入りこんできて、警戒行動中のわが海軍の駆逐艦に刺激を与えている。かれら野生動物の猛獣のような奴らに、決して隙を見せてはならない。武器の引き金に指をかけ、命をかけ国の守りに就いているわが駆逐艦の乗員こそは、正に今の時代の‘武士’である。

 菅首相は、民主党のマニフェストの主要項目である子ども手当、高速道路の無償化などを一時凍結することを公式に表明した。全野党は、国家の非常事態にあって、菅内閣総理大臣を総指揮官とした体制に積極的に参与し、この国難を乗り越えるためそれぞれの力を出すように行動して貰いたい。初動対処がどうであったとか、いろいろ批判したいことはあるだろうが、それは、すべての状況が終息してからのことにすべきである。

日本国民は、次世代を担う子孫のため、一致団結してこの危機を乗り越えなければならない。子供たち、少年少女たちは大人たち以上に危機を感じて、健気に頑張っている。この国難のとき、政治家を初め、今の時代の‘武士’たちの行動が試されているのである。

0 件のコメント: