2011年3月10日木曜日

武士道(続)(20110310)

 NHKの「アインシュタインの眼」という番組で、3匹の飼い犬の行動を観察した映像が紹介されていた。3匹の犬は、母親犬とその息子犬、及びその妹犬である。飼い主が彼らの傍にいるときは、飼い主が文句なしに彼らのリーダーである。ところが、飼い主が外出し、家にはその3匹の犬以外誰もいない状況になると、3匹のうちどれかがリーダーになることが動物の掟である。カメラで観察していると、血のつながったその3匹が争っている。しかし実際は争っているのではなく、じゃれあっているのでもなく、噛みつくにしても深く噛むことはない。彼らは順位を決めるための行動をしていたのである。

 人間の世界ではどうであろうか?人間の社会でもリーダーを決めるが、その決め方にはいろいろある。血を流し合って決める場合もあるし、世襲で決める場合もあるし、民主的な手続きで決める場合もある。

 人間の集団、それも国家の単位ではどうであろうか?例えば中国、ロシア、北朝鮮など国家の単位ではどうであろうか? かれらは、動物の本性のように、日本より上位に立ち、日本を下位に置きたがっている状況に似ていないだろうか?

 昨日、東シナ海で行動中の海上自衛隊の護衛艦に中国のヘリコプターが70mまで接近し、護衛艦の写真を撮ったという。大変危険な行為であるため、政府を通じて中国に抗議したという。もし、わが護衛艦が、「危険防止のためこれ以上接近するな」と警告して威嚇射撃をしたらどういうことになっただろうか?

 人民同士のレベルでは、日中両国ともお互い頬笑みを交わし合い、同じ人間同士として、心を通じあうことをごく自然に行っている。しかし、国家同士であると上述の3匹の犬の行動と大差ないようなことをする。わが方は謙虚な態度で、礼儀正しく対応しているが、中国側は無礼で、傲慢で、謙虚さは全く見受けられない。

 新渡戸稲造の『武士道』には、当然のことながらこのような国家同士のことについては全く触れていない。わが護衛艦は日本の為、法令に基づき行動している。中国のヘリコプターも中国の為、法令に基づき行動している。その行動において、わが護衛艦は「武士道」の精神をもって行動している。中国のヘリコプターは、一党独裁の中国共産党の綱領など、彼らの行動の基になる精神的なもので行動している。その行動は、『歴史通11月号20101』(ワック出版)に前衆議院議員西村眞梧氏が寄稿している以下の記事によれば、「琉球復国運動基本綱領」と「琉球臨時憲法」に準拠していると考えられる。

“中国は沖縄を「琉球」と呼び、中国共産党は2007年に「琉球復国運動基本綱領」というものをつくり、そこに「琉球人民は日本の琉球群島に対する植民地統治を認めない」などと書いている。さらに「琉球臨時憲法」というものまで掲げ、その第4条には「琉球共和国は、奄美州、沖縄州、八重山州の三つの主要な州からなる」と書いている。”

わが方が、「武士道」精神に則り、謙虚に、礼儀正しく行動していても相手には通じない。最後の手段としてわれわれは「腰の氷刀」を抜くしかないだろう。

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