2011年3月27日日曜日

時が経つにつれ (20110327)

 未曾有の大災害に遭った日から2週間が経った。テレビで報道されている内容も次第に日常の普通のものになりつつある。

 しかし、被災し、夫、妻、親、子ども、親類、友人、恩を受けた人などを大津波に飲み込まれて亡くし、避難所暮らしをしている人びと、福島第一原子力発電所の被災事故により、避難を余儀なくされて不自由な避難所暮らしをしている人びとのことを、マスコミは、特にNHKは、これからもずっと、避難所暮らしをする人がいなくなるまで、報道を続けてほしい。その一方で、震災からの復興の状況をこまめに報道してほしい。

 昔と違って現在の都会地には、日本の総人口のかなり大きな部分が集中している。都会地の人びとは、自分たちの住んでいる場所から遠く離れた人口の少ない被災地のことを、いつも気持ちの中に留め続けるように心がけねばならぬ。

 太平洋ベルト地帯に日本の人口のかなり大きな部分が住んでいるが、ここに、明日にも東北関東大震災にまさる大震災が起きぬとも限らない。他人事ではないのである。もし、この太平洋ベルト地帯に大災害が起きた場合、日本は、‘頭脳’や‘肺’や‘心臓’や‘肝臓’や‘胃’など人体の主要な部分に対比される諸機能が重大なダメージを受けるだろう。そのときは、最早再び日本は立ち上がれなくなってしまう可能性はある。

 そのとき、初めて、かつて高学歴の若者たちがオウム真理教にのめり込んでしまったように、頭がすこぶる良い人たちも何か目には見えないも、他界にある何かの‘存在’を信じ、哀れに助けを求めるようになるかもしれぬ。

 「頭が良いということ」と、「普通の常識を備えているということ」とは、違う。頭の良い人は、一言のもと「当たり前だ!」と吐き捨てるだろう。しかし、「頭がよく、普通の常識を備え、他を見下げることはなく、物事を洞察し、物事の裏や深部に潜む‘問題’を見つけ出し、その‘問題’が面に表われる前にその‘問題’を解決すること」ができる人は少ない。自己過信、自信過剰、優越心が判断を誤らせている。

 かつて日本の陸軍参謀本部や海軍軍令部にいた将校たちは、頭が良かった。しかし、彼らが日本をどういう結果に導いてしまったか?同様に、今の日本の中央官庁の上級官僚たちも頭がよいことにおいては、旧軍の場合と同じであろう。

 一方、「政治主導」を標榜する政治家たちはどうであろうか?頭が良いか?永田町の人ではない普通の人びとと同じ常識を備えているか?議員バッジを胸に付けた途端「先生」とよばれ、それまで有権者にペコペコ頭を下げていた状態とは裏腹に「胸を反らせ」、有権者を見下げていないか?「官僚をたたく」心理は自分の劣等感と裏腹ではないか?

 この日本では、特定の政党を支持しない有権者の多くは、学歴も高く、情報も豊富に得、謝礼を貰ってマスコミに出る有識者のように表だって発言はしないが、物事の正悪を判断し、選択する普通の常識を備えている。この点が昔とは違う。

 この未曾有の大災害は、古来仏教に親しむ日本人への御仏の教え(方便)かもしれぬ。

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